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暫定基準

このツイートから。

2000Bq/kg ←日本の基準
1000Bq/kg ←WHO
  4Bq/kg ←ドイツの子供


飲み水は、

300Bq/L ←日本
0.5Bq/L ←ドイツ



今のウクライナは25年後のニポン」から。

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ウクライナの首都キエフは、当時の人口が250万人、旧ソ連で3番目に大きな都市だった。だけど、チェルノブイリの原発から130キロも離れた街なので、政府は住民たちに避難指示を出さず、住民たちが原発事故のことを正式に知らされたのは、1986年4月29日の夜のテレビニュース、つまり、事故から2日半も経ってからだった。だけど、実際には、市民の多くが、クチコミで事故のことを知ってた。そして、原発が大爆発を起こしたというのに、正確な情報が何も入って来ないことから、パニック状態に陥る人たちも現われた。

原発からの距離と風向きの関係で、キエフの放射線量が上昇し始めたのは、事故から3日後の4月30日からだと報告されてる。そして、政府からの避難指示はなかったけど、市民の半数近く、約100万人が、2~3週間のうちに、自主的に避難したと言われてる。

で、チェルノブイリの場合は、事故から9日で原子炉をコンクリートで固めたから、あとは「すでに撒き散らされた放射性物質を何とかする」ってことがポイントだったんだけど、広範囲に渡っての除染なんて一朝一夕には片付かない。そのため、政府は、とにかく住民のほうをまず移住させ、それから除染に取り掛かることにした。ここまでの流れは、どう考えても、ニポン政府の今回の対応より、遥かに人道的と言えるだろう。

ウクライナでは、事故後、住民の移住に関するガイドラインを法律で定めたんだけど、これがとっても良くできてるもので、セシウム137、ストロンチウム90、プルトニウムなどの放射性物質ごとの土壌汚染度と、年間の被曝量とをそれぞれ計測して、移住レベルに対応させてた。年間の被曝量だけで言えば、5ミリシーベルト以上が「移住義務区域」、1ミリシーベルト以上が「移住権利区域」、0.5ミリシーベルト以上が「放射能管理強化区域」だった。

ニポンでは、年間の被曝量がウクライナの「移住義務区域」の4倍にあたる20ミリシーベルトを超える地域だけを「計画的避難区域」に指定した上に、この指示を出したのが事故から1ヶ月後、実際に避難させたのが2ヶ月後だってんだから、あまりにも遅すぎるし酷すぎる対応だ。この中には、年間の被曝量が100ミリシーベルトや200ミリシーベルトを超える地域も含まれてたんだから、この地域に2ヶ月間も留まってた人たちは、すでに数10ミリシーベルトも被曝してるのだ。

その上、ニポン政府は、子供にまで年間20ミリシーベルトの被曝を押し付けた。繰り返すけど、ウクライナでは、もっとも高い規準値が「5ミリシーベルト以上」で、この数値のエリアの住民は、政府によって強制的に移住させられたのだ。勘違いしないでほしいのは、これは一時的な「避難」や「疎開」じゃなくて、「移住」だってことだ。つまり、ウクライナでは、年間の被曝量が5ミリシーベルトを超えるエリアは、もう人間が暮らすことができない土地だって判断したのだ。


‥‥そんなワケで、年間の被曝量が5ミリシーベルトを超える土地の住民に移住を義務づけたウクライナ政府と、子供にまで20ミリシーベルトの土地で暮らすことを強要したニポン政府、あまりにもカケ離れた両政府の対応だけど、さらに驚くのが、食べ物に関する暫定規準値だ。ニポンでは、水も、野菜も、果物も、肉も、魚も、ほとんどの食品の規準値を1kgあたり500ベクレルに設定したけど、ウクライナでは、毎日たくさん摂取する水は2ベクレル、毎日食べる野菜は40ベクレル、野菜よりは摂取量の少ない果物は70ベクレル、そして、肉は200ベクレル、魚は150ベクレルと、どれもニポンよりは遥かに厳しく設定してるし、それぞれの食材の摂取量まで考えて設定してるのだ。

さらに言えば、ニポンでは、大人も子供も500ベクレルを押し付けられてるけど、ウクライナでは、こうした基準とは別に「幼児の基準」が設けてあり、幼児はどんな食材でも「1kgあたり最大40ベクレル」と決められてる。つまり、1kgあたり200ベクレルの肉や150ベクレルの魚は、大人や大きな子供は食べてもいいけど、幼児には食べさせちゃいけないことになってる。

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by nakao312 | 2011-09-02 08:03 | Genpatsu&311


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